ヤマタノオロチ退治——スサノオの英雄譚
あらすじ
高天原を追われたスサノオは、出雲の肥の河(現在の斐伊川)の上流に降り立ちます。そこで泣いている老夫婦(アシナヅチ・テナヅチ)と美しい娘(クシナダヒメ)に出会いました。
話を聞くと、8年間毎年一人ずつ娘を八岐大蛇(ヤマタノオロチ)に食べられてきており、残るはクシナダヒメ一人だと言います。
退治の作戦
スサノオはクシナダヒメと結婚することを条件に退治を引き受けます。
- クシナダヒメを細かい歯のある櫛(くし)に変えて髪に挿す
- 強い酒(八塩折之酒)を八つの桶に満たして待ち構える
- 大蛇が酒に引き寄せられて飲み始め、酔いつぶれたところを十拳剣で斬り殺す
草薙剣の発見
大蛇の尾を斬ったとき、剣の刃が欠けました。不審に思い尾を割ってみると、中から光輝く剣が現れます。これが「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」、後に「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」と呼ばれる三種の神器のひとつです。
スサノオはこの剣をアマテラスに献上しました。
神話の意味
ヤマタノオロチは、氾濫を繰り返す斐伊川(肥河)を象徴するという説が有力です。スサノオの退治は、人々が川の洪水を制御し農地を開いた歴史を神話化したものと考えられています。
草薙剣が尾から出てきたことは、斐伊川流域の砂鉄が製鉄に使われ、良質な刀剣が生まれたことを示すという解釈もあります。
ゆかりの地を訪ねる
- 斐伊川(島根県):大蛇退治の舞台
- 須賀神社(島根県雲南市):スサノオが宮殿を建てた場所
- 熱田神宮(愛知県):草薙剣を祀る